昆明ⅴ


ホテルからみた周辺の住居の屋上です．どこもかしこも太陽熱温水器が設置してあります．「昆明」は中国の中でも日照時間が長いらしいです．

「西山龍門石窟」は「昆明湖（滇池）」の西岸，池に面した断崖絶壁に彫られた雲南省最大規模の道教石窟群です．「昆明に到りて西山に到らざれば未だ昆明にあらず．西山に到りて龍門に登らざれば未だ西山にあらず（下記の中文）」と言われています． “不耍西山等於不到昆明，不到龍門只是白跑一趟西山”	上から見た「昆明湖（滇池）」．アオコの影響でしょうか?湖面が緑に見えるので決して綺麗とは言えませんね．

この像のベルトの上下に「財神」と書いてありますが，多くの人が触るのでしょう，擦れています．なでなですると金持ちになれるかも?	でも落ちないように気を付けて下さいね！


かなり高い所まで登ってきました．そもそも海抜（約2500m）が高いうえに，徒歩での移動なので，息が切れそうです・・・．

長寿の亀と蛇が絡み合っている像．これも触るとご利益があると言われています．


もうすぐです．	やっとの思いで「龍門石窟」に到着しました．しかし，これが最終地点ではありません．まだ厳しい登りが待ち受けています．

この台も手彫りかも?・・・下の岩と一体化しています．	それにしてもこの断崖絶壁によくぞ人が通れる道を削ったものです．その信念に頭が下がります．

これが「龍門」・・・下からの眺め．正に「石窟」ですよね！ここは1781年から1853年の72年間に亘り，手で彫られた石窟（通路・仏像も）だそうです．このような険しい場所で何故，こんな偉業を成し遂げることができたのか?

「龍門」を通り過ぎ，上から眺めたところ．門の中央の突起（玉）に触れると出世すると言われています．日本でも「登龍門」との言葉はありますが，ここ「西山龍門」に登ることなのか?と疑問が湧きました．どうも，本家は違うようです．「龍門」とは黄河の上流にある登竜山を切り開いてできた急流でのことで，この急流を登ることができた鯉は龍になるという伝説から，この関門を登ることが立身出世への道になる，成功の糸口となるということ．しかし，この「西山龍門」も同様の意味があります．


これらの像も全て絶壁に彫られています．凄いです～！の一言です．

石段も手造りです．観光シーズン（中秋節の連休）の割には，比較的人が少なくて良かったと思います．大勢の観光客がいたら，この様な写真が撮れないばかりでなく，狭い通路を通れないし，人が溢れていたら危険ですね	青空なら絶景なのでしょうが，曇り空で今一つですね．

左右どちらの写真も手掘りの感じですね．この「西山龍門」のキーワードは中国語で「奇，絶，険，幽」と言われています．ここ「西山龍門」を訪れた方は何となく分かる気がします．如何でしょうか?


「西山龍門」を下りて，この「華亭寺（別称；雲栖禅寺）」を訪問．雲南省では最大規模を誇り，900年以上の歴史がある．建物は度々の火災に見舞われており，現存する建物は比較的新しそうです．	この寺の門の前には，こんな注意書きがありました．「所構わず大小便をしないでください！」

狛犬のはずですが，左側は象（ゾウ）の像です．そう言えば雲南省では象の像を多く見掛けましたがミャンマー，ラオス，ベトナムと国境を接しており昔から文化の交流があったのでしょうね．	右側は獅子です．これら，狛犬の違いからも日本のお寺との違いを感じます．


お寺の入り口にはかなりパワーを感じる梅の老木がありました．樹齢250年は越えているようですね．

お寺の守護神ですがちょっと迫力に欠けているのではないかと思ってしまいました．

見学コースを奥へ奥へと進むと何と観光コースには欠かせない「お土産屋」さんがありました．ほとんどの観光地でもそうでしたが，日本語が流暢な店員さんがあれやこれやと土産物を勧めます．綺麗な風景画に心が傾きかけてしまいました・・・結果，購入せず．

昆明空港へ到着しました．	空港内の売店で「雲南佛手」という名前の変わった果物を見掛けました．

不思議の国「昆明」から広州へ戻ります．お疲れ様でした．
不思議の国「昆明」の旅，本当に不思議の国でした．ワクワクした気持ちが忘れられません．単に「中国」と一言では絶対に片付けられない，国土の広さ（空間的）は当然ですが，歴史（時間的）の長さも想像以上です．日本人的には，こうした旅行の体験が無ければ絶対に“中国に対する理解という領域”に近付けないのではないかと思いました．