この「国分八景公園」は台地上にあり，海老名市街地や遠く大山・丹沢山地を望むことができます．昭和4（1929）年までこの近くにあった龍 峰寺に元禄年間に滞在した鉄牛和尚がこの付近から見える景色を「龍峰寺八景詩」という漢詩にしたことから「国分八景公園」と名付けられた そうです．それぞれの漢詩ごとに石碑が建てられており，その漢詩の説明（訳）も表記されています．
2017年6月8日撮影 大山の夕照 ［大山を望む夕映えの景色］ 　遠野煙生晩色濃　遥看大麓夕陽春 　半如錦纈半如薫　満目滄瓏千里重	2017年6月8日撮影 島間の春耕 ［天平を偲ぶ国分村の水田 　漠漠平田接綠蕪　春鴻落處秩初敷 　憑誰乞與二三頃　兩笠煙蓑了晩途
2017年6月8日撮影 鴨沢の瞑煙 ［秋の霧に薄れる大磯の鴫立沢］ 　鳴澤渺茫沙路脩　夕陽瞑色一堆愁 　曾從圓位遺歌詠　千古令人傷素秋	2017年6月8日撮影 鴨沢の瞑煙
2017年6月8日撮影 菅社の秋月 ［秋月が輝く大谷の天神社］ 　海嶽雲収轉桂輪　上方秋色最清新 　欲求佳句寫幽賞　蘋潦先羞菅姓神	2017年6月8日撮影 菅社の秋月
2017年6月8日撮影 木製の階段があります．	2017年6月8日撮影 せっかくの歴史的な公園なので，この公園の成り立ちなどを丁寧に説 明した掲示があってもよいのではないでしょうか？
2017年6月8日撮影 清水の鐘声 ［百年も鳴り続く清水寺の鐘の声 　清水樓臺遠近晴　隔山聽得■華鯨 　何人能解發深省　送盡百年是此聲	2017年6月8日撮影 土峯の晴雪 ［冬晴れの早朝の富士の眺め］ 　西嶺千秋積雪繁　雲間湧出到銀盆 　無涯景況一清絶　倚遍欄干占暁昏
2017年6月8日撮影 湘浦の渡船 ［夏の相模川の渡し船］ 　溶漾滄■水拍天　行人幾度渉湘川 　早知世路風波嶮　來住可愛灔澦船	2017年6月8日撮影 湘浦の渡船
	それぞれの写真の下に「龍峰寺八景詩」を記しました． ※「海老名歴史さんぽ」より 青文字の［　］は情景を簡単に説明しています． 青文字の漢詩の中で“■”は字が不明 該当する漢字が見当たらず，類似の漢字になっている可能性もありま すのでご了承ください．
2017年6月8日撮影 祇林の緑樹 ［水田の彼方の社寺樹林と快い風］ 　鬱蜜幽叢祇樹林　薫風殿閣滴清陰 　區區柴陌紅塵外　來此應須洗客心
2017年6月8日撮影 訪れた日は薄曇りでした．晴れていれば高台なので眺めも良いはずで す．高い建物のない昔はどのような景色だったのでしょうか？	2017年6月8日撮影